広島県の被爆者ら67人が広島地裁に起こした愛媛県の伊方原発1~3号機運転差し止め訴訟の堀江壮・原告団長(75)=広島市=ら5人が9日、伊方町役場を訪れ、再稼働に反対するよう求める山下和彦町長宛ての要望書を提出した。
 要望書では「四国電力伊方原発で東京電力福島第1原発並みの過酷事故が起きれば、広島市民も古里を失う」と指摘。熊本地震に触れ、中央構造線の活断層群が引き金となった巨大地震が原発に影響を及ぼす可能性を否定できないとし「住民を健康被害や生命への危険から守るため再稼働に反対し、廃止に尽力してほしい」と訴えている。
 町職員に要望書を手渡した後、被爆者でもある堀江団長は「原発の危険性が分かった今、当面の経済性を優先して負の遺産とすべきではない。放射線の恐ろしさを知る一人として、再び被ばくするのは耐えられない」と力を込めた。